ヒリヒリした感じ、嫌いじゃない。 ヒリヒリした感じ、嫌いじゃない。

ヒリヒリした感じ、嫌いじゃない。 ヒリヒリした感じ、嫌いじゃない。

城戸 貴志

福岡店営業2課 2016年入社

自分は砂糖漬けのジャムだ。

バイトと遊び中心の学生生活だった。恥ずかしながら将来の仕事のことなど、あまり考えていなかった。
熊本出身。地元で名の通った企業なら。それが一番いい。
ちょっとした縁で現在の会社を知った。歯科業界では全国有数。九州圏内では屈指。健康生活に貢献する仕事であることもプライドを満足させたし、医療業界という「堅実さ」も気に入った。職場環境も明るそうだったし、社員の方々は皆、仲が良さそうだった。いいことづくめ。幸運にも入社が決定した。
営業?もちろん経験はないけれど、ルートセールスだから、慣れればなんとかなるんじゃないか。
なんともならなかった。そのことは入社して直ぐにわかった。自分の甘さを思い知らされた。まるで砂糖漬けのストロベリージャムだ。

担当を前任に戻して欲しい。 担当を前任に戻して欲しい。

担当を前任に戻して欲しい。

入社してからはきめ細かな新人教育を受けた。商品知識、修理研修。当時は他店舗での研修などもあった。担当を持って外回りを始めると、帰社後に先輩がわざわざ時間を作ってくださり、販促方法などの教育を受けることができた。外部のメーカー様からは商品説明会で懇切丁寧なレクチャーを受けた。職場は就活で感じた通りに明るく、先輩方は優しく、順風満帆って感じた。ある日、逆風が吹き荒れた。
担当交代直後だった。その医院様からクレームがついた。「担当を前任に戻して欲しい」。口腔内消毒に使う材料の種類を間違えて納品したこと。訪問時間をお客様に断りなく変えたこと。大切なメモを直接渡さなかったこと。今、振り返れば初歩的なイージーミスばかり。しかし初歩とは基本ということだ。当時はことの重大性がわかっていなかった。上司に謝罪に行っていただいた。前任だった先輩から居酒屋で励まされた。立ちすくんでいる自分がいた。

スキルを磨き武器を鍛えタフになれ。 スキルを磨き武器を鍛えタフになれ。

スキルを磨き武器を鍛え
タフになれ。

上司に思い切りきつく叱られたら、先輩から励まされなかったら、いつか痛みは消えていたかもしれない。思いやりや優しさが、ひどく沁みた。この上司や先輩のために、会社のためにこのままでは終われない。決心がついた。覚悟を決めた。担当エリア内の医院様に飛び込み営業を始めた。
ここはビジネスの最前線なのだと思った。ここで生き抜く以上は、スキルを磨き、武器を鍛え、タフであらねばならない。どんな顔で飛び込み営業したのだろう。多分、生まれて初めてといえるほど真剣でまっすぐにお客様の心に「飛び込んだ」のだ。小さな、ささやかな「仕事」がいただけた。今まで味わったことのない達成感に震えた。その医院様とは今に至るまでお付き合いがある。
こうして砂糖漬けのジャムは大人になった。最前線は人間を見違えるほどに変える。

今日もフロントラインに出る。 今日もフロントラインに出る。

今日もフロントラインに
出る。

報連相をしっかりと行う。レスポンスはできるだけ速く。ムダのないムリのない時間配分を。最前線ではさまざまな経験ができる。経験は経験則を増やしてくれる。自己は日々鍛えられる。キャリアは確実に積み重なり、取り組む仕事に厚みが出る。
入社6年目。クラスで言えばビジネスサージェント。現場の生え抜き。これからを背負っていく世代。
結婚をした。家族ができた。自分のために、家族を守るために、会社の発展のために。今日もフロントラインに出る。このヒリヒリ感、悪くない。